Jelly Beans
****守貴SIDE****

待ち合わせしていた場所に偶然通りかかったのは、

昔付き合っていた相川瑞希だった。

信じられないことに

何もなかったように話す瑞希

別れた後、俺はずっと引きずっていた。

俺の悩んだ毎日は無意味だというように笑顔でそこにいる。

全く。何でこんな奴が好きだったんだろう。



美人で自信にあふれてて皆の憧れだった。

そんな瑞希が俺を好きだと言ってくれて

天にも昇る気持だった。

付き合っている時も違和感はあった。

俺と話していても遥か遠くに居るような空気感

彼女にとって俺は飾り物のような存在だった。

就職を選ぶ時も、俺が何になろうと気にする様子もなく

自分は海外に行くと決めてさっさと離れて行ってしまった。

待ちたいという俺に

待つなと別れを突き付けた。

酷い女だった。

でも好きだった。

何度も身体を重ねて

何度も愛を交わした。

俺に沢山の想いを感じさせてくれた大切な人だった。



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