Jelly Beans

いちごの家に行くと、


早い時間に俺が現れたことに驚いていた。


皆に迷惑を掛けていると


自分の勘違いかもしれないからと、


そんなことばかり言ういちご。


明らかに混乱しているのがわかる。


当時中学生だったといういちご。


よっぽど怖い思いをしただろうに。


もっと、人を頼っていいんだよ。


「とりあえず夏休みでよかった。


 一人で出かけるのは控えた方がいい。


 何かあったら俺と行こう。時間作るよ。」


という俺の言葉に、



「ごめん。あたし皆に迷訳掛けてる。


 こんな弱いあたしは自分じゃないって思うんだ。


 ちょっと落ち着くまで、


 お願いしてもいいですか。」


なんて、いじらしくて、かわいいんだ


俺はいちごを抱きしめた。

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