Jelly Beans
瀧君が帰ってきて、   


当時の話を聞くと 
 

さらに驚いた。


『監禁』


まさかそれほどの事とは思っても見なかった。


相手が少女と言うことで、


将来の事を考え表ざたにならなかったのだろう。


そのころ、俺はすでに市役所で働いていたはずなのに


そのての情報が入ってこなかったのは。


事件の当事者も加害者も、


同じ学校の中学生だったことで


大人たちの手で隠ぺいされたのだ。


そんな中。誰よりも傷ついたいちご。


それを見つめて何もできないもどかしさを抱えていた瀧君の思いは


誰にも救われないままここまで来ていたのだと思い知らされた。


世間には忘れられた事件でもこの家族には大きな影を落としてなお、


今でも続いていたのだ。



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