Jelly Beans
なんか大変なことになってきちゃった。




「小畑さん。」


あたしの名前を呼んだあの人


もう5年前になるのか

あの時あたしは村主建(すぐりたつる)君の事を知らなかった。


そして、あたしは、村主君に酷いことをいった。


「あなたが、村主君?知らない子にこういうの貰うの気持ち悪いから

 もう、やめてくれない?」


彼からの手紙を読みもしないで突き返したんだ。


後で、見せてもらった手紙には


入学したばっかりの時に落し物を拾って


職員室に届けたことがあって、


それが今頃になって本人に届いたこと。


声が掛けられず手紙にして靴箱に入れる事を詫びるものだった。



あたしは彼の初恋の相手だった。


それを拾って届けた相手があたしだと知り


運命だと思ったらしい。


手紙は、何度も書き直し、何度も手渡そうとした末の行動だった。


その思いをあたしは


あっけなくしかも最悪な態度でぶちこわしたのだった。




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