Jelly Beans
不動産屋を何軒か回ったけど

なかなかいい物件が見つからない。

「いやあ、一番物件が少ない時期だからね。

 もう少し落ち着いたら、色々紹介できますよ。」


どこでも同じことを言われた。

3月、4月は、日本全国民族大移動


それが過ぎるまではあまりいい物件は期待できないというのだ。


「どうするモ-リ、のんびり探す?」


「う~ん、じゃそれまでどうする?」


「今まで通りお互い別という事で、」


「それはちょっと、すぐにでも一緒に住みたいのに。」


「じゃ、どっちかのうちに住む?」


「家?狭いし、遊歩と一緒にいちごを置くのは心配。」


「も~心配ないよ。じゃあ、家に住む?

 パパの書斎のある離れ分捕っちゃおうか。」


「え、それいいなあ、でも、お父さん許してくれるかなあ。」


「多分、大喜びで即OK出るよ。電話してみるけど。

 でもいいのモ-リ婿養子みたいじゃない?」


「とりあえずでしょ、お金貯めてマイホ-ムってのもありじゃない?」


「う、いいかも。じゃあ、電話する。期待してて。」


あたし達は新たな生活へ動き始めた。
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