Jelly Beans
新婚旅行は行けないから、


今夜はホテルにお泊り。


窓から見える絶景に、感嘆の声をあげた。


「あ、スカイツリ-だあ!!」


「気に入ってくれたお姫様。」


「うん、嬉しい。」


「夕御飯もいっぱい食べたしね~。」


「だって、披露宴食事全然食べられなかったから。」



「あたし、あのお客さもに渡したプレゼントも欲しかったなあ。」


「ジェリ-ビ-ンズ?」


「そう、紫音さんの手作りの。」


「そういえば、前貰ったの全部食べたの?」


「もちろん、傑作だったよ。塩味とか、みたらし味とか、トウガラシ味とか


 普通じゃないのもいっぱいあって、のどあめ味はげろまずだったなあ!!」


「とんでもないもの配っちゃったかなあ。」


「いいんじゃない。楽しくて。」


「兄貴ついに100味作ったらしいよ。」


「きゃ-それはすごいよ。あとで譲ってもらおう!!

 紫音さんの作るジェリ-ビ-ンズ食べながら、

 人生ってこういうんだろうなって思ったよ。

 一見おいしそうなのに辛かったり、

 見た目はいまいちなのに味わい深かったり、

 その時は何でもなかったけど、無性に欲しくなったり。

 感じ方も人によって違うし、考えも違う。

 金子みすずだっけ

 『みんな違ってみんないい』ってね。」


< 254 / 306 >

この作品をシェア

pagetop