SeaLover

空が言った。

「あぁ…うん…来たね」

「何照れてんの〜?さっきまでめっちゃ騒いでたじゃん!」

「うるさぁい」

二人で話していると先生が入って来た。

「席に着け〜」

私と空は自分の席に向かった。

私の後ろには雄斗。

席に着いてもまだ周りは騒がしい。

私はふと後ろを振り向いた。

「よぉ」

雄斗からの一言、それだけで私は緊張してしまう。

「あぁ…ど〜も」

それから雄斗は何も言わない。

沈黙が続くのは私の性格的に堪えられないんで私は会話を探した。

その時…

ふと目に入った雄斗のペンケースに付いてるストラップ。

人が土下座をしている変なストラップだった。

「雄斗〜これ何〜?めっちゃウケる」

「ん?あぁ」

とりあえず会話が見つかった!

それにしても…

雄斗もこんなストラップ付けてるなんてどーゆーご趣味なのか…

私だったら絶対買わないかもな。

しばらく雄斗のストラップで遊んでいると…

「何?欲しいの?」

いやいや…欲しくはないけど…

「あはは〜ウケるし欲しいかも」

と言った。

「ん、やるよ」

雄斗は私にストラップを渡した。

「へ?いいの?」

「同じのもう一つあるし」

私はストラップを受け取った。

…どうしよう…

めっちゃ嬉しい!!

いや、土下座ストラップが嬉しいんじゃありませんよ?!

雄斗からって事がすっごい嬉しい…

こんなロマンチックに感じてる私ですが土下座ストラップと言う事をお忘れなく。

「ありがと!」

私は雄斗から貰ったと言う喜びから知らない内に顔が綻んでいた。

まぁ周りから見れば土下座ストラップ貰って喜んでる変態女子?だったりして…

「お前ってさ、そんな風に笑うんだ」

突然の雄斗の言葉の意味がわからなかった。

「ん?そんな風にって?私そんなにブサイクな顔してた?!」

「いや、そーゆーんじゃなくて」

なぜかわからないけど雄斗は顔をそらし私と目を合わせてくれなかった。

「ね〜ぇ!どーゆー意味なの?」

「しつこい」

口元を手で押さえてる雄斗。

私真面目になんかした?

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