SWIMMING*SCHOOL
コーチが私に微笑みかける。


月の光しか照らさないこの空間では、コーチの表情、輪郭がとても幻想的に見えた。


「はい、ありがとうございました!」


「気をつけてね、おやすみ」


「おやすみなさい」


家の真ん前まで送ってもらったのだから、気をつけてねって何を気をつけるんだと思いながら、

そんな言葉をかけてもらえたことを素直に喜んだ。


コーチが車で走り去るのを見送ろうとしたら、それは許してもらえず、早く中に入ってと促された。


私がマンションに入るのを見送ってから帰るって言ってずっとコーチが待ってるから、

顔がにやけるのをこらえながら家に向かった。


ああ…ほんと幸せだった。
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