SWIMMING*SCHOOL
「今日はクロールのフォームから皆でやりまーす。」
どこかけだるそうな声で言うイケメンは皆をプールには入れず,壁に追いやった。
コーチはいきなり自分の上半身を倒す。
「まず軸になる腕は固定して,もう一方の腕を胸のあたりまでもってきて,かく。指は閉じて。
水をかいたら水面より少し上に手をだして,軸の手に重ねる。」
的確に指示しながら,自分も空気をかいて見せる。
ぴしっぴしっと止まってはかいて,止まってはかいてと,
左右交互に水をかいているかのような仕草は何故か画になった。
「じゃあやってみて。」
梶原コーチの,かいて重ねてかいて重ねての掛け声に合わせて皆,さっきのお手本を必死で真似た。