SWIMMING*SCHOOL

準備が終わり,梶原コーチを見ると,

コーチは私に手を差し延べている。


社交ダンスのお相手に誘われているかのような振る舞いにドキドキする。


何!?いきなり紳士!?Gentleman!?


「手乗せて。」


Shall we dance?って意味!?それ。


水中でどうやってダンスすんだって自分に突っ込みをいれながらも,

恐る恐る恐る恐る恐る恐る恐る自分の手を梶原コーチの上を向いた掌に重ねる。


"ダンスすんだ"って上から読んでも下から読んでも同じだななんて考えていたのもつかの間,


梶原コーチは乗せた私の手を軽く握り,


「クロールしてみて。できなくてもいいから。」


と囁いて赤い板のない水中へと引っ張った。


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