SWIMMING*SCHOOL
「いや、水中ダンスとか、水中ウォーキングとか、水球とかさ。
アクアビクスでもこんなに実施してるとか知らなかったんだよ。
ましてやこんなに人がいるなんて。
ひとコースくらいは余ってるだろうって思っててさ」
コーチは伸脚をしながら笑う。
「私も今日個別指導だなんて知りませんでした…」
勘違いのせいで心の準備ができなかった八つ当たりに、呟いてみた。
梶原コーチの耳に届くか届かないか程度の音量で。
「そうだよ、今日俺タダ働きだよ?」
…きちんと届いていました。
「な、なんでタダ働きの個別指導なんてセッティングしたんですか…?
こんな…私だけのために…っ」