SWIMMING*SCHOOL

自分で言って、かあっと顔に熱がのぼる。


そうだよ…梶原コーチ、私だけのために来てくれたんだよ…。


「なんでって…忘れたの?
上原さんが泳げないって泣いて助けを求めてきたんじゃん」


ぎゃ────!!


「泣いてなんて…」


「え、泣いてたよ」


なんっだこの人!


自覚なしのイケメンのくせに女心全然分かってないな!


…彼女とか、いるのかな?


「ほら、ちゃんと体操して。
泳いで足吊ったら大変だから」


私は情緒不安定のまま、アキレス腱をゆっくり伸ばす。


「足吊ったって思ったら、泳ぎ続けずに止まってよ?」


「大丈夫です、水泳で頑張れるはずがないですから」

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