SWIMMING*SCHOOL

私のすぐ下までお出迎えしてくれる赤い板。

やっとできた私の足場。


「あの…どうも」


「いーえ」


私はそのできたてほやほやの足場に着陸する。


"ハート"は割れなかったものの、未だ熱せ続けられているかのごとく、熱い。


「で?」


切り出された話はなんとも酷なものだった。


「どのへんが苦手なの?」


それは水泳の指導の開始の合図だった。


鳴り響いたゴングは、隣で鳴っているアクアビクスのBGMよりもよく聞こえ、私に響いた。


「苦手っていうか…できないです」


「だから、どのへんが?」


私は今、幸せなのか不幸なのかが自分ですらわからない。

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