SWIMMING*SCHOOL

大好きなイケメンと大嫌いな水泳に同時に直面した。


「すべて」


「基礎から?」


「ありとあらゆる…すべて」


「水中で目を開けることも?」


私は重たそうに首を前に折る。


梶原コーチは溜め息混じりに笑う。


「どうやって13級まで上り詰めたの。勘で合格でもした?」


15級が最下級だから、13級は上り詰めたって言うほどの高さでもない気がするが、

勘で合格したことは図星で、

私は返答に困った。


「おお、まじか」


私が言葉に詰まったのとその原因を、梶原コーチは早くも察知してしまった。


「だから俺提案したことあるんだよ、」


コーチが赤い板に乗る。

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