SWIMMING*SCHOOL

私の思考も意味の分からないところで堂々巡りを繰り返し、

結局は戻ってきた。


潜ればいいんだ。


潜って、梶原コーチと水中で目があうためには、目を開ければいい。


手段としては単純で簡単な説明になるが、実際やろうと思うとできやしない。


「はい、じゃあこれ一時没収。」


優しく取り上げられた私の味方、ゴーグル…


「行くよ?せーのっ」


"の"の途中で音声は聞こえなくなり、水音が耳にはりつくように私の心をおびやかした。


暗闇。


壁も底も果てもないような空間に、微かな恐怖を覚えずにはいられない。


……暗闇?
駄目だ、目閉じてる!


途中で気づき、目を開けようとする。

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