SWIMMING*SCHOOL

最初は低空飛行と言ってもいいくらいの潜水泳法で、

それからだんだんと浮いていくまでに、コーチの体は全く動かなかった。


ただただ進んでいくその筋肉美に、
ただただ見惚れていた。


帰ってきたコーチが私の目の前まで来るのを確かめてから、

私は立ち上がり、顔についた水を手ではらった。


「だいたいは分かった?」


……あ。


なにコーチの筋肉美に見惚れてたんだ、私!


せっかくのお手本見てなきゃ駄目じゃん、私!


「あんま分からなかった…」


「なっ、見てなかったの?」


「いや見てたけど、違うの見てたっていうか…」


「はあ?俺だけ見てろよ。何のための手本だよ」


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