SWIMMING*SCHOOL

「成功してから大口叩きましょーねー、上原さーん」


なんて、コーチにからかわれる始末。


私はそれをボビングしながら背中で受け止め、
「くそ~」なんて、ありきたりな感情を抱いていた。


その気持ちは私を若干苛立たせ、
それでも先ほどと同じようにまた、
腕を構え、水中に潜り、壁を蹴った。


「…お」


と、コーチが感嘆の声をあげたのも、水中にいる私には聞こえなかった。


くそ~さっきのけのびはコーチにとどくと思ったのに…


調子にのって大口なんか叩くんじゃなかった。


“無駄口叩いてないでさっさと構えてくださーい”

なんて、私がコーチに言える立場か。


ばかばか!
私のばか!


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