SWIMMING*SCHOOL
それだけは、見ないでも分かる。
私は目も合わせずコクリと頷いた。
「え…」
コーチが小さくつぶやいたと思ったら、突然、私を支えていたコーチの腕の力が抜けた。
私は支えを失って、明るい水色のタイルの上に着地する。
水面は私の口も鼻も覆って、私は…溺れる。
「ちょ…ひど…なにも落とさなくても…っ」
私は、私の両腕が水を打つバシャバシャという音にかき消されてしまうほどの音量で必死にしゃべった。
「あ…ああ、ごめんごめん」
梶原コーチはそれだけ言うと、ほどよく筋肉のついた逞しい腕を私に差し伸べてくれる。
私はすぐにそれに掴まり、コーチの肩にしがみついた。