SWIMMING*SCHOOL
おうちに帰ろう
あのあとは特に気まずくなることもなく、いつも水泳の練習を終えたあとみたいにシャワーを浴びてサウナに入った。
いつもはサウナは人でいっぱいだけど、今日は2人きりだった。
賑やかなアクアビクスの人たちは私たちより少し早くサウナに入り、うまく入れ違ってしまったのだ。
今日一日鳴り止むことのなかった私の心臓は、今でもドキドキバクバクとしている。
2人きりのサウナでは音もなく、ましてや密閉された部屋なので、鼓動が梶原コーチに聞こえてしまわないかと不安になった。
私が馬鹿な話をして、梶原コーチが笑ってくれる。
それだけであり得ないくらい幸せな境遇の自分に気づいた。