琥珀



あたし達は最近姿を隠してた。




大切なものを失った、あの日から―…




裏の世界に居たら、また何かを失うんじゃないかって不安だった。





でも今はそんなこと言ってる場合じゃないんだよね?



大切なものを失わないために、戦わなきゃ。



今ここに居る、瑠愛達一般人を誰一人死なせてはいけない…



あたし達が、守ってみせる。



二度と死なせはしない。



何度も何度も自分を恨んだ。



もっとあたしが強ければ――と、何度も思った。



自分の弱さに無力さを感じ、裏の世界を避けた。



しかしこうなった今、あたし達が戦う他術はない。





洸…………ごめん。


あの時こうすれば良かったんだ。



洸…………例え洸が望んでいなくても、あたしはこの手で……







今日この日、琥珀は、再び動き始める――…







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