りんどうの空
第1話
13才の誕生日の夜

僕たちは
互いに刃を向け合った。





僕は竜胆の目に。



私は雪割の首に。





彼が定めたハサミは
私の目を通り過ぎ
ずっと伸ばしていた私の髪を
ひとふさ切り離す。



彼女が定めた剃刀は
目的通り
僕の首を血まみれにした。






あの夜から



僕たちの中で

何かが始まったんだ。





もうすぐ

16回目の誕生日がやってくる。
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