バレンタイン・キッス
「親友からの告白にはびっくりした」
告白されて、何にも返事を返せないまま川村が「帰ろう」って言うから、丘を出た。
行きと違ったのは川村に手を握られてたこと。
あとは、会話がなかった。
「家まで送ってくれたの。電車、反対方向なのに送ってくれた」
「うん」
「家の前でね、川村が言ったの」
『好きだよ』
もう一度、ハッキリと。
握られた手はそのままで、ゆっくりと近づいた川村と、気付いたらキスしてた。
きっと告白されて、頭が回ってなかったのかもしれない。
頭の中、真っ白になってたの。
だからキスされたとき、ハッとして川村のこと突き飛ばしちゃったの。
『あ、…ご、ごめ…っ』
『いや、俺もごめん。いきなりは嫌だったよな』
そうじゃない、言いたかったのに言えなかった。
このとき初めて、川村が違う人に見えた。
「……ほんとうに、友達だと思ってたの。今までそんな雰囲気なかったし、きっとこれからもひとりの友達として見てくれると思ってた」
告白されて、何にも返事を返せないまま川村が「帰ろう」って言うから、丘を出た。
行きと違ったのは川村に手を握られてたこと。
あとは、会話がなかった。
「家まで送ってくれたの。電車、反対方向なのに送ってくれた」
「うん」
「家の前でね、川村が言ったの」
『好きだよ』
もう一度、ハッキリと。
握られた手はそのままで、ゆっくりと近づいた川村と、気付いたらキスしてた。
きっと告白されて、頭が回ってなかったのかもしれない。
頭の中、真っ白になってたの。
だからキスされたとき、ハッとして川村のこと突き飛ばしちゃったの。
『あ、…ご、ごめ…っ』
『いや、俺もごめん。いきなりは嫌だったよな』
そうじゃない、言いたかったのに言えなかった。
このとき初めて、川村が違う人に見えた。
「……ほんとうに、友達だと思ってたの。今までそんな雰囲気なかったし、きっとこれからもひとりの友達として見てくれると思ってた」