十人十色の十恋物語<短編集>
でも、
ちゃんと言われてるんだけど…


あった、あった!


[ 萌葱さん、オレのこと好きですか?
付き合ってくれませんか? ]


そうそう、
涙が流れそうにウルウルした目をしてたんだよなぁ。
だから、かわいくって抱きしめちゃったんだよね。
返事するよりも先に。


五年も付き合っているから、
この日記帳にも閏弥への不満は書いてあるけど。


「 ねぇ、希更。
オレにもコーヒーちょうだいよ。
一人で休憩してズルいぞ! 」


この甘えた言い方と、
このくしゃくしゃな笑顔があったから、
ずっと一緒に居れたんだよね。


結婚前に閏弥との恋愛を振り返れて
五年前からも今も
この恋愛は幸せだと思う。


「 希更がニコニコしてると、
オレは嬉しくなるよ。 」


そうだね、
二人でニコニコしてたら幸せはずっと続くね。


「 ねぇ、閏弥。
出会った時から変わらずに愛してる。 」


閏弥は、私の耳にチュッとしてから


「 知ってるよ。 」


今のこの気持ちを未来で振り返ったら
かわらずに幸せだと言いたいから。





end


2012/03/04
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