十人十色の十恋物語<短編集>
翌日
[ 大丈夫! ]
と一言のメールが届いた。
その一言でも
オレは幸せになれた。
この地球上で
大切なキミが生きていてくれる
それだけで良かったから。
オレは雨が降るたびに
キミを思い出す。
キミの泣き出しそうな目も、
キミの震える細い肩も
ちゃんと覚えているのに
キミのとなりにオレはいない。
キミの見えるモノ
キミの聞こえてる音
全て一緒に感じてたのに
ずっと感じていたかったのに、
もうできないんだね。
オレは
キミという春を失っても
まだ生きていて
そんな自分が痛々しく思えてくる。
誰にも見つからずに
一人で生きていくことに決めたよ。
心が寒くて凍えてしまいそうな自分には
キミを愛したこと
これは自分にとって
キミと一緒に過ごした時間は
唯一の誇れる時間だったから…。
end
2015/01/30