~チョコレート~奈美
悠君はあのときみたく
私の体を引き寄せた。
悠君の心臓の音が聞こえる。
…
私は悠君を手で押し返した。
「…優しくしないで…。」
「え…?」
「もう…私に優しくしないで…。」
私は声を殺して一生懸命話した。
「辛いの…優しくされると…辛いの…。」
悠君は困っている…。
私はうつむいてるから
悠君の表情は良く見えない。
けど絶対困ってる。
「奈美は俺と付き合いたい?」
そんなこと聞かないで…
「俺のことどれくらい好き?」
言いたくない。情けなさ過ぎる…。
「いつまで黙ってんの?」
初めて聞いた悠君の強い口調。
「へっ…あっ…。」
早くいえよ。と顔が言ってる。
「悠君…しか…見えなかったよ…
すっごく…すっごく…だいす…」
言い終わる前に私は
悠君に
キスをされた。
ゆっくり離れると悠君は
「俺の…好きな人…奈美なんだけど…。」
っていった。