~チョコレート~奈美
涙が出そう。
悠君…。
___ドンっ___
悠君は紙袋を自分の席の
横にかけてその男子を突き飛ばした。
「奈美からもらってなにがわるい?」
その男子はビビッて「ごめん。」って
謝っていた。
そんなことしなくていいんだよ。
私は悠君のことを好きな明るいキャぴキャぴした
女の子じゃないんだから。
そして悠君はまた私のほうを向いて
笑ってくれた。
「サンキューな。奈美っ。」
それだけ言うと悠君は席に座った。
私の心は複雑だった。
私が悠君を好きということ
悠君には伝わらないかもしれない。
だってこんなにチョコをもらってるんだから。
もし伝わってもこんな私相手にされるはずがない。
私は悠君と違って控えめでいまどきの子じゃない。
悠君…。
私…
やっぱり叶わない恋しちゃったのかな?