~チョコレート~奈美



涙が出そう。

悠君…。



___ドンっ___


悠君は紙袋を自分の席の

横にかけてその男子を突き飛ばした。


「奈美からもらってなにがわるい?」


その男子はビビッて「ごめん。」って
謝っていた。


そんなことしなくていいんだよ。

私は悠君のことを好きな明るいキャぴキャぴした

女の子じゃないんだから。




そして悠君はまた私のほうを向いて

笑ってくれた。


「サンキューな。奈美っ。」


それだけ言うと悠君は席に座った。



私の心は複雑だった。


私が悠君を好きということ

悠君には伝わらないかもしれない。


だってこんなにチョコをもらってるんだから。


もし伝わってもこんな私相手にされるはずがない。


私は悠君と違って控えめでいまどきの子じゃない。






悠君…。

私…
やっぱり叶わない恋しちゃったのかな?
< 7 / 16 >

この作品をシェア

pagetop