~チョコレート~奈美
もし私のことなんともおもってないなら
こんなに優しくしないでほしい。
あのときだってどうして私を抱きしめたの?
あのときどうしてあんなに優しくしてくれたの?
悠君はいい人だから?
私がかわいそうだったから?
あのとき悠君がいなかったら…
毎日話しかけてくれなかったら…
悠君に恋をしていなかったら
私はこんな学校やめていたかもしれない。
けど、悠君に本気で恋をして
相手にされないほど
悲しいことなんてないよ。
あのときよりももっともっと悲しいよ。
もし次わたしが泣いていたら
次は誰が抱きしめてくれるの?
悠君…。
そんなことを思っていると
自然に涙がこぼれ落ちていた。
「っく!…。」
我慢できなくたって
ホームルームが終わった後私は教室を出た。
そのときぐいっと誰かに腕をつかまれた。