~チョコレート~奈美



「…なに泣いてんの?」


この声は…悠君…。


「なんでも…ないよ。」


心配そうな目で私を見ている。


「おいで。」


悠君は私の腕を引き


私と悠君は屋上に来た。


悠君、覚えてくれていたの?



今日の空はあのときと同じ晴れだ。



「なにがあったの?」

「…。」



なにがあったの…って___

なんて説明したらいいかわからないよ。



「もしかして俺のことで泣いてる?」


勘が鋭い悠君。


「…そうだったら?」


「チョコ、嬉しかったよ。」



悠君が私に優しく言うと

悠君は私の大好きな笑顔をみせた。


「あれ…本命…なんだ…。」


私は泣きながら悠君を見つめていった。


悠君はまた笑って

「そっか。」

といってあぐらをかいた。






< 9 / 16 >

この作品をシェア

pagetop