~チョコレート~奈美
「…なに泣いてんの?」
この声は…悠君…。
「なんでも…ないよ。」
心配そうな目で私を見ている。
「おいで。」
悠君は私の腕を引き
私と悠君は屋上に来た。
悠君、覚えてくれていたの?
今日の空はあのときと同じ晴れだ。
「なにがあったの?」
「…。」
なにがあったの…って___
なんて説明したらいいかわからないよ。
「もしかして俺のことで泣いてる?」
勘が鋭い悠君。
「…そうだったら?」
「チョコ、嬉しかったよ。」
悠君が私に優しく言うと
悠君は私の大好きな笑顔をみせた。
「あれ…本命…なんだ…。」
私は泣きながら悠君を見つめていった。
悠君はまた笑って
「そっか。」
といってあぐらをかいた。