真紅の世界
幕間
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サラが叫んだ瞬間に、サラとレティの周りを覆った光。
それは、甲冑の男を跳ね飛ばし、そしてサラの左手の傷を瞬く間に癒していた。
今目の前で起こった事実を、レティは信じることができなかった。
サラが叫んだ瞬間に生まれた光は、明らかに魔法によるものだった。
でも、レティが使ったわけではない。
レティの魔法はまだ弱く、ダリアなしには魔法が使えないのだ。
だとしたら誰が?
考えられる可能性は一つだけ。けれど、レティはその可能性を認めることができないでいた。
サラは異世界から来たと言っていたのだ。
事実、目の前で倒れるサラの着ている服は、レティが生まれてから一度も目にしたことのないような服だ。
それに、サラはこの世界のことについても、まるで何も知らない様子だった。
ダリアを出した時のあの驚きようが演技だとしたら、彼女は今頃有名な俳優にでもなっているはずだろう。
だからこそ、信じられなかったのだ。
甲冑の男を跳ね飛ばし、そして深い傷までも治してしまうその魔法を同時に使ったのが、この目の前のサラだなんて。