真紅の世界
始まりは突然に
チュンチュンという可愛らしい鳥の鳴き声がやけに近くで聞こえて、私の意識は浮上した。
鳥の声が聞こえるってことはもう朝か。
昨日の放課後に部活を頑張りすぎたせいか、身体がなんとなく重くて疲れが全然取れていない。
でも、二度寝なんてしてられない。
早く起きて、チビたちの食事の用意をしなくちゃ。そう自分に言い聞かせて、眠くて仕方ない瞼を開ける。
……視界に映ったのは、見慣れない景色だった。
そして隣に半裸の男が、なんていったらお決まりのパターンなんだろうけど。
それが可愛く思えるくらいの驚愕の景色に、私は今開けたばかりの目を思いっきり、そりゃもう力の限り閉じた。
待て待て待て。
よし、もう一度確認してみよう。
ゴクリと唾を飲み込んで、今度は恐る恐る薄目を開けた。
真っ先に目に入るのは、青。
そりゃもう、綺麗な雲一つない青空。
可愛らしい声で鳴きながらカラフルな小鳥たちが飛んでいる。
この時点で、間違ってる。