惑溺

5

 





目を開けて
見覚えの無い天井をぼんやりと見上げた。






……私

カクテルを飲んで、酔っ払って。
それからどうしたんだっけ……?


夢見心地のまま寝返りを打ち、視線を天井から横へ移す。


そこには
まだ夜明け前の薄暗い部屋の中、裸の肩を布団から出して眠るリョウの姿があった。


ドキンと激しく全身が脈うった瞬間
私の体に一気に感覚が戻ってきた。

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