惑溺
『もう昼だよ。昨日の夜も電話したのに。
全然出ないから心配したんだぞ』
呆れ気味の聡史の声を聞きながら、まだ寝ぼけたままの頭を動かし昨日の事を思いだす。
ええと、昨日は……どうしたんだっけ。
「あ、昨日博美と一緒にいて……。
少し飲みすぎたみたい」
そうだ。
昨日はあの後、甘口の飲みやすいカクテルに調子に乗って飲みすぎたんだっけ。
結局何杯飲んだのか、はっきりと覚えていない。
アパートに帰ってきた記憶もおぼろげだ。
ああ、博美に迷惑かけちゃったかな……。
『由佳は酒弱いんだから、無理して飲むなよ。
博美ちゃんに飲まされたのか?』
ため息交じりの聡史の言葉に私は慌てて首を横に振る。
「違うよ。飲まされてないよ。
私が調子に乗って自分で飲んじゃったの」