惑溺

「由佳、最近仕事忙しいのか?」





久しぶりに聡史とふたりで向かい合いながら食べる食事。

「うん、もうすぐ12月だし。やっぱり年末は忙しいよ。
聡史も学校忙しいでしょ?」

いつの間にかうまくなった作り笑いを浮かべて、ゆっくりと首を傾げる。

「忙しいよ。ここ最近寝てる時以外は、ずっと仕事してる感じ」

毎日残業続きで、休日も溜まった書類を片付ける為に学校に行ってる。
と、本当に疲れたようにため息をついてみせた。

「忙しくて、あんまり会えなくてごめんな」

聡史の優しい笑顔に私は目を伏せて小さく首を振った。
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