惑溺
久しぶりに聡史に誘われ、ふたりで食事中に
「由佳は年末年始どうするの?」
そう年末の連休の予定を聞かれ、持っていたフォークを止めて目の前にいる聡史を見た。
お洒落な雰囲気の賑やかなダイニングバー。
パスタがオススメらしいよ、という聡史の言葉通り、本格的な生パスタが美味しくて黙々と食べていた。
「ええと、特に決めてないけど。
たぶん実家に顔を出したり、友達と会うくらいかなぁ」
口の中のパスタを飲み込んでそう言うと、
「そっか」
聡史はビールを飲みながら笑った。
「俺は久しぶりに地元に帰るつもりなんだけど、もしよかったら一緒に来る?」