惑溺
 
「毎回俺の事が信用できないとか、なに考えてんだかわかんないとか言って振られてばっかりだよ」

木暮はそう言う俺の顔をじっくり観察しながら、へぇ……と赤い顔で呟いた。

「でもさぁ。リョウなら振られてもすぐ違う女出来るだろ?
うらやましいよー、俺もそんな女にモテる外見で、リョウの人生歩んでみたいよ」

カウンターにつっぷして、子供の様に駄々をこねる。


取り替えられるなら、一度取り替えてみて欲しいよ。



こんな人生、
別に望んだわけじゃない。

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