激甘Milk*Tea+





「だって、裕之くんがいればなにもいらないし?」


近づく度に、甘ったるい匂いが鼻につく。

ずっと好きになれなかった、俺の大嫌いな匂いだ。


「…少し、考えさせろ。」


「考える時間なんて必要?あなたの大切なものがなくなる前に「うるせぇ!…わかってるよ」」


睨んでから、視線を床に落とす。



「…じゃあ、また。早く戻ってきてね♪」


それだけ言って俺の頬にキスをして教室を後にした…リカさん。




「…っ…最悪、だ。」


それなりに周りには気を配ってきた。

だから出掛けることも避けてたし、
出掛けても2時間も車を走らせていた。


「くそっ…せっかく…手に入れた、のにな」


ずるずるともたれていた壁に沿うようにして床に座り込む。


「なんで、こうなんだよ……」


右手で拳をつくり、左手で顔の半分を覆った。



そのあと教室に響いたものは

──悲痛な声と嗚咽だった…





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