激甘Milk*Tea+
「……ま、いいんじゃねぇの。」
「え、何が?」
いきなり意味のわからない言葉を口にする少年に首を傾げる。
「秘美はあんたを…尚輝さんを許したって言った理由が分かった気がしました。」
「ちょ…急に改まんないで?敬語とかいらないから。」
本当にいい子だと思った。
秘美を心配して遅い時間まで残って、襲いかけたこんな俺を、彼氏の裕之さんや本人の秘美だけでなく、その従弟までが俺を許してくれる。
──俺は恵まれている。
心からそう思った。
「まじ……ありがとう」
ぐっと堪えきれず、生徒の前というのに一粒涙を流した。
流れた一粒の涙を拭い、
「悪い。」
と、一言告げた。
「いえ…綺麗に、泣くんですね。」
「…そうか?」
「尚輝さん、秘美を支えてやってくださいね」
「支えるって…裕之さんいるじゃん?」
あまりにも必死な少年の様子に少しうろたえる。
「なんか最近…っくしゅん!」
会話の途中でくしゃみをした少年に、6月でも夜は寒いことを忘れていた俺は、とりあえずどこか店に寄るよう提案し、近くのファミレスへ向かった。