激甘Milk*Tea+
「“前みたいな人”のことなんだけどさ…」
そう。
前みたいな人のことについて俺は聞かされていなかった。
「迅にぃから聞いてない?」
俺にくっついたまま話す秘美。
「迅?あいつは知ってんのか…」
自然と声が低くなる。
そんな俺に少し身体を揺らす秘美。
あー…やべぇ。
つい、いつもの悪い癖が。
まじ嫉妬とかありえねぇから!
しかも迅相手に。
「うん…あのね。昔、塾の先生だった人が凄く好きで。」
悲しいような、寂しいような顔しながら話す秘美に
本当に辛い過去なんだ、と悟った俺から
迅への嫉妬心は消え、出来るだけ優しく
秘美の頭を撫でながら相槌をうつ。
秘美の話を聞く限りでは、
「……ヤりもく、みたいなもんか。」
その元カレは最低だった。
ヤりたかった、それだけのただの男でしかない。
日向や美紀ちゃんが男に敏感になるわけだ。
美紀ちゃんには耳が痛くなるぐらいに
秘美を大切にしなきゃ私、許さないから!
って言われ続けていた。