激甘Milk*Tea+





なにあれ、なにあれっ?

恭ちゃんこわっ!

てか、溺愛しすぎだし…どっから涌いてきたんだろ。




まだ少し恭ちゃんの恐怖が残っている私は、後ろを気にしながら歩いていた。



すると、


───…どんっ!


と、前を見ていなかった私は誰かにぶつかった。



「ご、ごめんなさいっ!」


取り敢えずぶつかった人に頭を下げた。




「………え、秘美?」



その聞き覚えのある声に頭をあげることを戸惑った。


私が頭を下げたままでいると、

「顔見て話がしたいんだ。顔、あげて?」


「………うん」


ゆっくり顔をあげ、ぶつかったその人を見る。



──…やっぱりだ。



「久しぶり、だね…秘美」


「……なおくん」


それはスーツ姿のなおくんだった。



「まさか秘美が高校生だったとはね…」


騙されたもんだよ、と乾いた笑いを漏らすなおくん。


「…騙されたのは私だよ、なおくん。」


なおくんの顔が少し強張った。


「あんなに優しくしといて突き放すなんて、あんまりだよ」


気持ちのこもっていない笑顔を向ける。




「……ごめんっ!」


と、178cmの体を半分に折り曲げ私に頭を下げるなおくん。



「……なんで?」


なんで、今更謝るの?

今ここでたまたま再開したから?


そんな私の予想を遥かに越えた答えが返ってきた。





< 94 / 151 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop