激甘Milk*Tea+
なにあれ、なにあれっ?
恭ちゃんこわっ!
てか、溺愛しすぎだし…どっから涌いてきたんだろ。
まだ少し恭ちゃんの恐怖が残っている私は、後ろを気にしながら歩いていた。
すると、
───…どんっ!
と、前を見ていなかった私は誰かにぶつかった。
「ご、ごめんなさいっ!」
取り敢えずぶつかった人に頭を下げた。
「………え、秘美?」
その聞き覚えのある声に頭をあげることを戸惑った。
私が頭を下げたままでいると、
「顔見て話がしたいんだ。顔、あげて?」
「………うん」
ゆっくり顔をあげ、ぶつかったその人を見る。
──…やっぱりだ。
「久しぶり、だね…秘美」
「……なおくん」
それはスーツ姿のなおくんだった。
「まさか秘美が高校生だったとはね…」
騙されたもんだよ、と乾いた笑いを漏らすなおくん。
「…騙されたのは私だよ、なおくん。」
なおくんの顔が少し強張った。
「あんなに優しくしといて突き放すなんて、あんまりだよ」
気持ちのこもっていない笑顔を向ける。
「……ごめんっ!」
と、178cmの体を半分に折り曲げ私に頭を下げるなおくん。
「……なんで?」
なんで、今更謝るの?
今ここでたまたま再開したから?
そんな私の予想を遥かに越えた答えが返ってきた。