愛しき・愛しき人[誤字修正]
でも、今日はいつもと少しちがっていた。

課長に絡んでいた営業マンは課長の終わりを告げるセリフの後でもさらに話を続けた。

「課長はNFからくるような人だからうちのようなレベルでは何をどう頑張っても納得できないんでしょうね」

それは、嫌みを含んでいるであろう一言。

今日も課会はあれそうだ…


「確かに、人から評価してもらうことが先につながることもあるが、
 胡坐をかくことにもなる。

 もっと上を目指すことを忘れることにもつながるんだ。

 俺がここにきてから、課全体の営業成績が伸びていることが
 何よりの結果なんじゃないか」


課長の言うことにももっともなことだ。

現実に課全体の成績は右肩あがり。

課長の仕事ぶりには頭が下がるが、課員全体の成績が伸びているのは事実。


今度こそ、この課長のセリフですべてが終わった。
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