片想い【短編】
行きたくない
今すぐ村先のところに行って、
話聞かなきゃもっと長くなるのに…
行きたくない…
すごく、苦しいよ
切ないよ…
「おっと、また忘れてた」
「え?」
そして、差し出された右手
「2-Bの藤田亮です!どーぞ、よろしく」
藤田亮…
彼の声がリピートされたみたいに
頭の中でずっと名前がぐるぐるまわってる
「よ、よろしく…」
「おう!なんかあればまたいつでも来いよ。俺、放課後は基本教室で寝てるから」
「……うん」
またいつでも来いって言われた…
また来てもいいんだ…
ギューって胸が締め付けられて、
心臓がこれでもかってくらいドキドキしてる
これって…