紅一点!?~元男子校のお姫様~
『――乃愛っ』
「っ!?」
耳を塞いだ手の上から
大きくて温かい悠弥くんの
手が重なり
そのまま向かい合うような
体勢になった
悠弥くんのおでこがあたしの
おでこにくっついて
『……雷が鳴り止むまで、
こうしててやるから心配すんな』
頭と手から悠弥くんの温もり
を感じて
もう何も怖いものは何もないみたいに
あたしは不思議と安心感に
包まれていた
こんな風に思えるのは、
悠弥くんと仲直りできたから
なのかな、
それとも――
あたしは安心しきってそのまま眠りに落ちていった