紅一点!?~元男子校のお姫様~
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僕がまだ小学校に入る前、
母さんがまだデザイナーと
して売れ出していた頃
僕の父さんは普通の会社に
勤めているサラリーマンだった
父さんに誕生日プレゼントで
買ってもらったお気に入りの
帽子をかぶって父さんの帰りを一人で近所の公園で待っていた
「瑠唯ー」
向こうから歩いてくる父さんの姿が見えて
『父さん!!
父さーん、あっ……』
走り出した時に風で帽子が
飛ばされていく
『待って、待ってよ』
僕は必死に帽子を追いかけて
道路に落ちた帽子をやっと
拾った時、
目の前にトラックが迫っていた