近いようで、遠い存在のキミ (完)
2.スキな人とカノジョ
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毎日が夢の中にいるかのような錯覚。
でも、間違いなく、これが日常なんだ。
―――…
「あっ、りっちゃんおはよ!」
――ドキッ。
私の心臓が、声に反応して鼓動する。
玄関を開けたのと同時に、耳に入ってきた声。
それは、1ヶ月前に引っ越してきたお隣さんの声。
「おはよ、ゆうくん」
私が答えると、ゆうくんはフワッと爽やかに笑った。
――この顔、好き。
たとえ気持ちが落ちている時でも、私を元気にしてくれるゆうくんの笑顔パワー。
いつ見ても、そのパワーはハンパないと思う。
ゆうくんの笑顔を見ると、私も自然に笑顔になるんだ。