近いようで、遠い存在のキミ (完)
 

「りっちゃんは今から大学?」


「うん。今日から試験だよ~」


「わー勉強してた頃のことなんて思い出したくないや…オレ勉強キライ」


本当に嫌そうな顔してる…。


「でもねでもね!楽しいこともあるんだよ?試験はイヤだけど…。でも、今勉強してること、仕事にしたいから頑張るの」


私はインテリア系の仕事がしたい。


だから、大学はそういう学部選んだし。


未来を想像するだけで、ワクワクするんだ。


「へ~…りっちゃんって見かけによらず、ちゃんと考えてるんだね」


…見かけによらず?


ってどういう意味だっ!


私はぷぅと頬を膨らませる。


「考えてるよ!それに…特に最近は、ゆうくんの影響も大きいんだよ?」


「……え、オレ?」


ゆうくんはキョトンとした顔をしてる。


「…りっちゃん、女優になりたいの?」


「へっ?いや、違うよ!」


何でそっちに行くの?


ゆうくんが胸を撫で下ろして、へらっと笑う。


「あ、だよね!ビックリしたー」


「ぷ」


かわいすぎる…!


ゆうくんのボケっぷりに、つい笑ってしまう。

 
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