近いようで、遠い存在のキミ (完)
…あみさんとはどういう仲?
なんて聞かなくても決まってる。
きっと、ゆうくんの彼女…なんだろう。
すごくお似合いの二人だった。
絵になる恋人って、きっとこういう二人を言うんだ。
彼女いるのかな、って考えたこともあったけど、実際見ちゃうと…
…かなりショックだな…。
やっぱり、同じ世界の人が彼女、なんだ…。
私の手の届かない世界にいる…。
―――パタッ
頬を伝った涙が、足元に落ちる。
「―――…」
こんなとこで泣いちゃダメ。
でも、思った通りに涙は止まってくれない。
私は自分の部屋には入らず、アパートを出た。