近いようで、遠い存在のキミ (完)
3.嵐の夜のデキゴト
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試験も残り3教科になった頃。
「うぅ…」
私は教科書を放り出して、部屋の端っこで、クッションを抱えて小さくなっていた。
ゴロゴロゴローっ
「ひぇぇぇぇっ!」
耳をふさいでも聞こえてくる音。
雷さま~お願いだから怒るのやめてくださぁぁぁい!
勉強、ちゃんとしますからぁぁぁ!
…私は雷が大の苦手だ。
「もうやだー…早くどっか…!」
窓の外がピカッと光るのが目に入った。
「ひっ」
来る…これは大きい…!
ドッシーン!
「やっ」
ゴロゴロゴロ…
も、無理…。
へなへなと身体の力が抜ける。
「うぇ~ん…こわ」
と、その時。