近いようで、遠い存在のキミ (完)
「あーあ!ほんと、どーしようもないな~私!」
報われないのに、こんなに好き。
私は空に向かって背伸びをする。
――バイト帰りの駅から家への道を、のーんびり歩くのが日課。
「は~」
私は歩きながら、空を眺める。
「あ!わーキレー」
空にはたくさんの星。
キラキラと瞬いている。
手を伸ばしたら、星に手が届きそう…。
でも、届かないのが現実。
まるで……私の気持ち。
涙が出そうになる。
…と、ダメダメ。
こないだからネガティブすぎる。
――…そうだ!
ちょっと近くの公園に行ってみようっと。
夜の空気も気持ちいいし。
私はアパートとは逆方向の道を歩き始める。