近いようで、遠い存在のキミ (完)
―――…
「切ない~…」
私は鼻水と涙をティッシュで拭う。
恋をした経験が皆無の私でも、ここまで感情移入させてくれる役者さんたち。
ステキな仕事だな…。
特に…
「ハルカ、っていいよな~…。切ない役が似合う!脇役の帝王って感じで」
誉めてるのかけなしているのかわからない言葉を、私は吐く。
大学とバイトの往復で他にやることなくて、暇潰しによく観るようになったテレビドラマ。
そこで出逢ったのが、ハルカだった。