近いようで、遠い存在のキミ (完)
そこには、髪の毛が短くなったゆうくんの姿。
「か、かわいい…」
「やっぱり…急に5歳くらい若返ったよねぇぇ…」
ゆうくんは苦笑する。
髪の毛、切ったんだ…。
しょ…少年みたい…。
ビックリしすぎて、私の涙はどっかに飛んでいってしまった。
ゆうくんには悪いけど、照れてるゆうくんはかわいすぎるし…。
でも、いつも大人っぽくて照れてるとこなんて見たことなかったから、少し安心したかも…。
ゆうくんが話を変えるように話し出す。
「…もう、雷で泣いてない?」
「泣いてないし!」
「ぷ。ほんとりっちゃんかわいすぎる」
「――!」
ゆうくんてば、髪の毛切って、性格も変わったんですか…?
「にしても、久しぶりだね?オレ、あの後すぐ、撮影入っちゃったから、家に帰れなくてさ。やっと落ち着いたよ」
「撮影…だったんだ」
だから会わなかったんだ。
少しホッとした。
このままずっと会えなかったら、なんて考えてたし。